「From The Story Untold」

体調も直り彼女と硬い人は以前に人間が住んでいた場所へと来ていました。
彼女は彼の事を身体が冷たく硬かったので硬い人と呼んでいました。
今まで一人で当てもなく一人で歩いていた彼女にとって
硬い人と出会ってからの日常は何もかもが初めてで溢れていました。
今も硬い人と話をしながらこの場所を調べています。
すると、彼女は古ぼけた本を拾いました。
彼女は字が読めなかったので硬い人に読んでもらう事にしました。
その本は、とある女性の日記帳でした。
その日記には色んな事が書いてありました。
日記帳の持ち主は人体実験で身体がボロボロになっていた事や、
新しい命を授かったがボロボロの身体で産めるかどうか分からなかったという事、
無事に生む事が出来た喜び、そしてその子供の成長、
その子供が人類がコールドスリープから目覚めた時の保険として連れていかれた事、
そして最後に二人を授かって本当に嬉しいという事。
硬い人は全てを読み終わった後、そっと本を閉じシェルターの場所が分かった事を告げました。
そして日記に挟まっていた一枚の写真を手渡しました。



〈和訳〉

「わたし」達が出発してから
どれ位が経っただろう。
世界は今だ崩壊しているが、
二人なら乗り越えられた。

しばらくして居住区へと辿り着いた。
そこで日記を見つけた。
彼はゆっくりと読み聞かせてくれた。
そこには古ぼけた写真と共に
希望と絶望は記してあった。

顔には出さなかったが、
心を揺さぶられた。
何故だか分からないが、
涙が頬を伝った。

日記を読み終えると、
静寂が辺りを包んだ。
そして優しくこう言った。
『彼ラガ何処ニイルノカ分カリマシタ。』

どんな顔をしたら良いのか分からなかった。
けど、「わたし」は見たかった。
人類が生きる世界を。

嘗て世界は広大で美しかった。
嘗て空は青く澄み渡っていた。

しかし、今、世界は終わろうとしている。

guitar solo : Mr.Sweden

『世界は何故わたし達に優しくしてくれないんだろう?
 誰が世界をこんな風にしたんだろう?』

彼は「わたし」の手を取る。
そして「わたし」の目を見る。
「わたし」はゆっくりと口を開き
自分の望みを伝える。

小さな声は届き、貴方は頷いた。
「わたし」はニッコリと笑い、そして出発した。